大判例

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東京高等裁判所 昭和41年(ラ)511号 決定

本件記録によると、原決定は、さきに債権者会社の申請に基づいて発せられた本件仮処分決定に対し抗告人が異議の申立をするとともに、その執行処分の取消を申し立てたのに対し、原裁判所が右取消申立を理由なしとして却下したものであることが明らかである。

仮処分決定に基づく執行の停止または取消の申立は民事訴訟法五一二条、五〇〇条に準拠するものと解すべきであるところ、右法条による裁判に対しては不服を申し立てることができないことは同五一二条二項、五〇〇条三項の定めるところであり、右五〇〇条三項にいう「裁判」は、裁判所が申立を不適法として却下した場合を除き、いやしくも実質的審査を経てされたものであれば、申立を理由ありとして強制執行を停止または取り消した裁判のみならず、申立を理由なしとして排斥した裁判の双方を含むものと解するのが相当である。この不服申立の禁止は、その裁判が本案訴訟に付随して、一時的応急的にされる仮の処分に関するものであるところから、右裁判に対して不服を申し立て、さらにその当否について争うことは許さないことにするのがよいという趣旨に出たものにほかならないのである。そして、右不服申立禁止の法条の適用も、仮処分決定の執行の停止取消の申立に関する裁判については修正されなければならないとするほどの実質的理由はついに発見することはできない。そうであるとすると、仮処分決定に基づく執行取消申立に対し裁判所が前記法条を準拠して申立を理由なしとして排斥した場合においても、これに対し不服を申し立てることは許されないというべきである。本件抗告の適否について抗告人の主張するところは、その独特の見解であつて、採用できない。

(新村 中田 蕪山)

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